マウスピース矯正
マウスピース矯正とワイヤー矯正
違いを知り、自分に合う方法を選ぶために
矯正治療に、誰にでも当てはまる正解はありません。
マウスピース矯正とワイヤー矯正は、
目的や向いている人が異なる治療法です。
大切なのは、
「目立たないか」「新しいか」ではなく、
症例・生活・継続できるかという視点で考えることです。
まず押さえておきたい違い
マウスピース矯正
見た目と生活へのなじみやすさを重視する治療
- 装置が目立ちにくい
- 着脱ができ、日常生活への影響が少ない
- その反面、装着時間など自己管理が結果に直結する
ワイヤー矯正
確実性と対応範囲の広さを重視する治療
- 幅広い症例に対応しやすい
- 歯の動きを精密にコントロールできる
- 装置が見える点はデメリットになり得る
※どちらが優れているということではありません。
症例や優先順位によって、適した方法は変わります。
矯正治療に共通して大切なこと
どの治療法を選んだ場合でも、
次の点は共通して重要です。
- 装置の使用ルールを守ること
- 定期的な通院を継続すること
- 日々のセルフケアを怠らないこと
矯正治療は、
医師だけで完結する治療ではありません。
患者さんの理解と協力があって、はじめて成り立つ医療です。
マウスピース矯正
生活への影響を抑えたい方の選択肢
マウスピース矯正とは
透明なアライナー(マウスピース)を
一定期間ごとに交換しながら、
少しずつ歯を動かしていく治療法です。
近年は技術の進歩により、
対応できる症例も増えてきましたが、
すべての症例に適するわけではありません。
マウスピース矯正の特徴(要点整理)
見た目
- 透明で目立ちにくい
- 人前に立つ仕事の方にも選ばれやすい
生活面
- 食事・歯みがき時に取り外せる
- 口腔内を清潔に保ちやすい
痛み
- 比較的弱い力で歯を動かす
- 痛みが軽度と感じられる方が多い
自己管理
- 1日20〜22時間の装着が必要
- 装着時間不足は治療の遅れにつながる
治療計画
- 歯の動きには限界がある
- 医師の診断と計画精度が結果を左右する
マウスピース矯正が向いている方
- 矯正中の見た目をできるだけ気にしたくない
- 装着時間をきちんと守れる自信がある
- 軽度〜中等度の歯列不正と診断されている
注意点・デメリット
- 装着時間が守れないと治療が進まない
- 継続が難しく、途中で中断する方もいる
- IPR(歯をわずかに削る処置)が必要な場合がある
- 症例によっては、仕上げにワイヤー矯正を併用することがある
- 重度の骨格性不正には適さない場合がある
また、導入のしやすさから、
担当医の経験差が結果に影響しやすい治療法
である点も重要なポイントです。
医院選びで特に確認したいポイント
- マウスピース矯正がうまくいかなかった場合の対応説明があるか
- ワイヤー矯正の経験も十分にあるか
- 治療費の総額と追加費用が明確か
- 広告ではなく、治療内容の説明が丁寧か
目立たない治療を特に重視する方は、
リンガル矯正(裏側矯正) に対応できるかも
確認すると判断材料になります。
マウスピース矯正ブランドについて
現在、多くのマウスピース矯正ブランドがありますが、
重要なのはブランド名ではありません。
・治療計画の内容
・担当医の経験
・対応できる症例の見極め
これらが、治療結果を左右します。
以下では、代表的なブランドについて
「特徴」と「注意点」という視点で
参考情報を整理しています。
※特定ブランドの推奨・否定を目的とするものではありません。
マウスピース矯正ブランドシェア状況
| 順位 | ブランド名 | 推定シェア(割合) |
| 1 | Invisalign(Align Technology) | 約55~60% |
| 2 | Spark Aligners(Envista / Ormco) | 約10~12% |
| 3 | ClearCorrect(ストローマン) | 約8~10% |
| 4 | Dentsply Sirona | 約5~7% |
| 5 | 3M / Henry Schein Orthodontics | 合計で約5~7% |
| 順位 | ブランド名 | 推定シェア(割合) |
| 1 | Invisalign(Align Technology) | 約80% |
| 2 | ClearCorrect(ストローマン) | 約10~15% |
| 3 | アソアライナー(ASOアライナー) | 約5~10% |
| 4 | キレイライン | 少数シェア(5%未満、特定用途で強み) |
| 5 | その他国内系ブランド | 残余分≦5% |
マウスピースブランド比較
| 適用範囲 | 全額 | |||||
| ブランド | 信頼度 | 軽度 | 中等度 | 重度 | 価格(総額)※税抜き | ひとことMEMO |
|---|---|---|---|---|---|---|
| Invisalign | ★★★★★ | ○ | ○ | ◎ | 70万~120万円 | シェア・知名度ともにNo1 |
| ClearCorrect | ★★★★★ | ○ | ○ | ◎ | 40万~90万円 | インプラント大手ストローマン |
| SureSmile Aligners | ★★★★☆ | ○ | ○ | – | 40万~80万円 | 大手歯科メーカーが運営 |
| ASO Aligner | ★★★★☆ | ◎ | ○ | – | 20万~50万円 | 国産ブランドの草分け |
| キレイライン矯正 | ★★★☆☆ | ○ | ○ | △ | 20万~60万円 | 新興ブランド |
| DPEARL | ★★★☆☆ | ○ | ○ | △ | 30万~70万円 | 歯科技工士CEO |
| スマイルモア矯正 | ★☆☆☆☆ | ○ | ○ | – | 20万~50万円 | 症例が少なく不明 |
| Oh my teeth | ★☆☆☆☆ | ○ | ○ | – | 30万~60万円 | 症例が少なく不明 |
| Spark Aligners | ※日本で取り扱い無し | ○ | ○ | ◎ | ||
| Smartee | ※昨年日本進出(2025年) | ○ | ○ | ○ | ||
| Angel Aligner | ||||||
| Hanaravi | ||||||
各社の特徴
Invisalign
海外ではもちろん日本でも圧倒的なシェアを誇るブランド。 デザインはスタイリッシュで、マウスピースはやわらかくトリムライン(マウスピースのカットされたライン)もきれい。幅広い症例に対応できる。
スキャナーはiTero専売であり、実質的に必須であるため導入費は約600万円と高額になる。
また、1症例あたりの費用はイニシャルコストの回収を考えると料金設定が高くなりやすい。競争も激しく、導入医院は多額の広告費を投下していることが多い。 症例数に応じてランク制度があり、医院は割引を受けられる仕組みだが、実質的にはノルマのような形で争をあおられている。
ClearCorrect
世界シェア2位のブランド。 日本では大手インプラントメーカーのストローマンが運営しているため、信頼性は高い。
インビザラインと同様に幅広い症例に対応可能で、 トリムラインは維持力を高めるために長めに設計され、マウスピース自体はやや硬め。インビザラインよりパワーがあり、歯の動きはより早いとされている。 スキャナーの専売はなく、iTero以外のスキャナーにも対応可能。 ノルマ制度などは一切なく、導入障壁は低い。イニシャルコストも抑えられ、1症例あたりのコストもインビザラインより安価。
ただし、まだ導入医院はインビザラインほど多くないため、症例数は十分とは言えない。
SureSmile Aligner
大手メーカーが展開するブランドで、プランの種類がシンプル。インビザラインのセカンドラインとして導入する医院が多い。
インビザラインより安価で、ワイヤー矯正用の器具も取り扱っており信頼性がある。 加速装置の販売も行っている。
ASO Aligner
日本の大手技工所が展開する国産ブランドで、上場企業による国産製マウスピースの草分け的存在で、簡単な症例に特化している。医院の負担が少なく導入しやすいことが特徴。
キレイライン矯正
日本のマウスピース矯正ブランド。低価格帯で始められることが特徴で、軽度の症例に適している。
ただし、適応範囲は限定的であり、中等度以上の症例には不向き。また「低価格」を強調する広告が多いが、実際にはオプション追加で想定以上の費用になるケースもあるため注意が必要。最近全顎矯正のプランが追加されたが、他ブランドと比較して低価格とはいえない。導入医院はまだ少なくInvisalignとの併用をしている医院が多い。
DPEARL
美容意識の高い層をターゲットにしたブランドで、手軽さとデザイン性を打ち出しており、都市部を中心に展開している。 一方で、症例数の実績はまだ少なく、矯正医が関わっていないケースも見られる。そのため、安心して進めるには事前確認が欠かせない。
スマイルモア 矯正
比較的低価格で始められるブランドで、 広告やSNSでの訴求が多く、ライトユーザー向けとしての位置付けが強い。
ただし、広告色が強すぎる印象を与えたり、専門的な臨床データが乏しい点は注意点。 安さを優先するあまり、リカバリーや複雑な症例に対応できないリスクもある。
Oh my teeth
SNSで有名人を広告を大々的に打ち出している矯正ブランド。
しかし、景品表示法や医療広告ガイドラインに違反する広告をしていると度々指摘されており、信頼性には懸念がある。 また、症例の範囲は限られており、複雑な矯正には不向き。
Spark Aligners
世界シェア3位のブランド。欧米で症例数を伸ばしており、日本ではまだ未導入。今後、大手矯正メーカーが取り扱う予定。インビザラインやクリアコレクトと同程度の症例に対応可能とされる。
Smartee
中国のブランドで、昨年から日本でも導入が始まった。 パッケージデザインが可愛らしいのが特徴。 幅広い症例に対応しており、今後の展開に期待が集まっている。
Angel Aligner
中国を拠点とするブランド。アジア圏を中心にシェアを拡大しており、日本での展開も少しずつ進んでいる。
Hanaravi
日本発の矯正ブランド。